派遣社員から正社員になるための経験をアピール方法をご紹介

派遣社員から正社員への転職は難易度が高いですが、今までの経験をしっかりとアピールし、適切に転職活動を行えば成功に近づくでしょう。

ポテンシャルを期待して採用してもらうためにはできるだけ早く転職活動を開始することが大切です。

今回の記事では正社員になるために、派遣社員での経験をアピールする方法をご紹介します。

派遣社員と正社員の違い

まずは、派遣社員と正社員の違いを紹介します。

大きく異なるのは、「誰とどんな雇用契約を結ぶか」ということです。

正社員は、契約期間の定めがない無期雇用契約を勤務先企業と結びますが、「一般派遣」と呼ばれる登録型の派遣社員は、派遣会社との間で雇用契約を結びます。

そして、希望の勤務時間や業務内容から仕事を選択し、契約が決定すると派遣先企業で定められた期間だけ契約の範囲内で仕事をします。

派遣社員は、業務においては派遣先企業から直接指示を受けますが、雇用契約はあくまでも派遣会社と交わしているため、給与支払い・保険への加入・福利厚生については派遣会社の制度に従います。

派遣社員から正社員になるには「組織にどう貢献してきたか」という視点が重要

これまで自己のスキルアップに努め、職場の信頼を得てきたことはすばらしいと思います。

正社員と遜色のない仕事をしてきた」という自負もお持ちでしょう。

もちろん、それらはアピールポイントになりますが、前面に出し過ぎると、かえってマイナスに受け取られてしまう可能性があります。

というのも、採用担当者はあなたの「個人としての業務スキルや能力の高さ」だけに関心を持っているわけではないからです。

採用側が知りたいのは、あなたが「会社組織の一員として必要なことを理解しているか」という点です。具体的に挙げると、「組織や会社の“全体最適”を意識する視点を持っているか」「組織や会社で物事がどう決まり、どう進むかを理解しているか」などが判断されていると言えるでしょう。

面接でのアピールのしかた

面接では、応募先企業が求めている人物像や能力・スキルに合わせ、これまでの経験や実績などと自分の強みを仕事でどう活かせるのかを伝えましょう。

自己PRでは具体的な根拠を示すことが大切です。

例えば「〇〇ができます」と単に伝えるよりも、「これまで〇〇の経験を通して〇〇のスキルを身につけたので〇〇ができます」と経験や実績を添えたほうがより説得力があるでしょう。質問者の場合、得意の英語を活かして海外とのメール対応を任された経験はよいアピールの材料になると思います。

一方で、自分の視点で「スキルアップへの意欲」や「これまでの成長」をアピールするだけでは、採用側が知りたいこととの間にズレが生じ、的外れなやりとりになってしまうかもしれません。

大切なのは、「それによってあなたがどう組織に貢献してきたのか」という点です。これまでの経験や実績を伝える際には、あわせて「組織や会社にどのようなプラスの影響を与えてきたのか」をしっかりと説明することを意識してください。

「正社員に比べて、派遣社員は組織に対する意識が薄くなりがちでは」と懸念する採用担当者が多いのも、残念ながら事実です。就労形態にかかわらず、全体最適や組織貢献を考えて業務に取り組んできたとアピールすることで、採用担当者が持つ懸念をある程度、払拭できるでしょう。

派遣社員から正社員になるメリット・デメリット

「何がなんでも派遣社員から正社員」と考えるのではなく、最後にいま一度、正社員になるとどんなメリットとデメリットが発生するのか把握して、どの選択肢を選ぶのか考えてみましょう。

正社員になるメリット

最大のメリットは雇用が安定することでしょう。派遣社員から正社員になることで雇用期間の区切りがなくなるため、契約終了のタイミングで雇用と収入が途絶える不安にかられることなく安心して働けます。また、ボーナスがある企業も多く、収入アップが見込める可能性があること、評価次第では昇給や昇格のチャンスに恵まれることも派遣社員にはないメリットです。

そのほか、各種手当が支給されたり、会社独自の子育て支援制度を利用できたりするなど、福利厚生面も期待できます。

正社員になった場合のデメリット

正社員になると、派遣社員のときに比べて自由度が低くなったと感じるかもしれません。正社員は会社から異動や転勤を命じられることがあり、必ずしも自分の希望どおりの仕事ができるとは限らないからです。

組織に属するため、会社から指示されれば担当範囲を超えた業務を担うこともありますし、人事異動により、これまでと異なる部署で仕事を一から覚えなければならないケースも起こり得ます。希望する業務や就業時間、勤務地などを選んで自由度の高い働き方ができる派遣社員に比べて、自分のライフスタイルを変えなければならない可能性がある点はデメリットでしょう。

また、派遣社員に比べて正社員は職務上の責任が重くなるため、休暇が取りにくくなったり、業務が忙しくなって残業をせざるを得なくなったりして、自分の時間が確保しにくくなることもデメリットになります。

紹介予定派遣や無期雇用派遣という選択肢も

正社員以外にも、「紹介予定派遣」や「無期雇用派遣」といった派遣社員と正社員の中間のような働き方もありますから、選択肢に入れてみるのもよいでしょう。

紹介予定派遣は、派遣社員として働きながら正社員や契約社員を目指せるもので、派遣社員として決められた期間働き、契約終了時に自身と派遣先企業が合意した段階で直接雇用になる働き方です。仕事内容や職場の雰囲気を派遣期間中に見極められることから、入社後にミスマッチが発生して早期離職してしまうリスクが少ないことが特徴です。

一方の無期雇用派遣は、派遣会社との間で期間を設けない雇用契約を結ぶ働き方で、派遣先企業との契約が終了しても、派遣会社との雇用契約が続きます。

派遣社員と正社員それぞれのメリットとデメリットを理解し、最後に紹介した紹介予定派遣や無期雇用派遣も含めて、幅広い選択肢の中から自分に合いそうな働き方を考えていきましょう。